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1人1台端末、様々な利用価値と子どもの気持ちがデータ化される懸念

GIGAスクール構想が叫ばれて久しいです。小学校では1人1台の端末が配られ、さまざまな学習に利用されているとのこと。保護者の子ども時代とはかなり違っており、家での学習のフォローに困った保護者の方もいるのではないでしょうか。
ここでは、カメラで子どもの表情を読み取ったり、リストバンド型端末を装着して脈拍を測り、子どもの集中度を測ったりする取り組みについて考えてみましょう。

データの収集と教育の現状

日本国内において、小学校では1人1台の端末を利用しデータ収集を通じた教育改革が進行中です。このアプローチは、情報技術の発展により、教育分野においてもデジタル技術を活用しようとする試みの一部です。GIGAスクール構想という名前で知られていますが、その取り組みについて、日本では世界で後れを取っていると言われており、デジタルリテラシーの向上が急務とされています。
学習のフォローだけではありません。具体的には児童の集中度を評価するために顔の表情や脈拍データを収集する取り組みが行われています。しかし、このアプローチには賛否両論があり、その利点と欠点を考える必要があります。

良い点:データを駆動した一人ひとりに合った教育サポートと改善

個別指導の向上

データ収集を通じて、教師は児童の集中度や学習ニーズをより効果的に理解できるため、個別指導の質が向上します。これにより、児童ごとに最適な教育プランを立てることが可能となり、学習の効果を高めることが期待されます。

学習環境の最適化

集中度データと脈拍データを活用することで、教室の環境を最適化できます。例えば、騒音や温度、照明の調整など、学習に適した条件を提供するための情報が得られるため、学習環境の改善に利用できます。

教育政策の改善

収集されたデータは、教育政策の改善に活用できます。政府や学校は、児童のニーズに合わせた教育プログラムの設計に役立つ情報を得ることができ、教育システム全体の質を向上させるための方針策定に貢献します。

悪い点: プライバシーと倫理の懸念、保護者の理解

子供のプライバシーの侵害

子供たちの顔の表情や脈拍などの生体データを収集することは、プライバシーの侵害につながる可能性があります。この情報が不正にアクセスされたり、悪用されたりするリスクが存在します。学校は取り扱いに十分注意する必要があります。

ストレスと焦燥感

児童にデータ収集装置を装着することは、ストレスや焦燥感を引き起こす可能性があります。特に子供たちがデータを収集することに対する不安やプレッシャーを感じた場合、学習環境が悪化する恐れがあります。
子どもによってはストレスで学習に集中できなかったりするかもしれません。またあえて笑ったような顔をわざと作ったり、自分で呼吸を調整してわざと脈拍に影響を与えたりするかもれません。子どもは予期しない行動をするものです。
「集中しなきゃ、しなきゃ」と思い込み過ぎて焦ってしまい、かえって集中できないケースもあるかもしれません。

本質的な学びの欠如

教育がデータ駆動になりすぎると、児童の個性や創造性を抑制する恐れがあります。教育は単なるデータポイントではなく、人間関係や深い理解、創造的思考の育成が重要です。
本来の学びとは何かを改めて考える必要があります。データの収集が目的になってしまったら本末転倒ですね。

教職員の負担も?

ある小学校で以下のような実証実験を行ったそうです。
ある児童の感情データに不安定さが見られたので、その児童を注意深くフォローすると、悩みを抱えていることが分かったそうです。
ただ、授業中に教職員が端末でリアルタイムにチェックしなければならないことなどがあり、教職員の負担が増すことが懸念されたとのことです。
データは授業内容の改善に役立てるために取得するのは当然ですが、教職員の理解が得られないと使い続けることは不可能でしょう。

ガイドラインの必要性

子供たちの気持ちをデータ化する取り組みは、慎重に取り組まなければなりません。国として以下のようなガイドラインを設けるべきです。

プライバシーの保護

データ収集と保存に関する厳格なプライバシー保護措置を確立し、子供たちの個人情報の機密性を守るべきです。

透明性と同意

データ収集に際して、児童と保護者に対して十分な説明と同意を得るプロセスを確立すべきです。児童や保護者はデータの収集目的と使用方法を理解できるようにすべきです。

データ利用の限定

収集されたデータは教育目的以外に使用されないよう確保すべきであり、倫理的な枠組みを設けるべきです。

保護と教育の両立

データを駆動した教育の実施は、子供たちの教育を向上させる機会を提供しますが、その過程でプライバシーと倫理の懸念を考慮する必要があります。
適切なガイドラインの下で、データ駆動のアプローチは効果的なツールとして活用でき、子供たちの学習環境を改善し、個別ニーズに合わせた指導を提供できるでしょう。
同時に、児童の権利とプライバシーを尊重し、倫理的な原則に従った運用が不可欠です。

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