学童保育における食育の大切さを考える

学童保育における「食」といえば、放課後に食べる「おやつ」と長期休暇中に朝から学童保育所に入室しているときにみんなで食べる「昼食」でしょう。
「おやつ」は楽しく食べて小腹を満たすだけではありません。
小学生にとってはおやつを用意し食べ、片付けるまでにさまざまな気付きや学びがあるのです。
こちらでは学童保育における食の大切さについて見ていきましょう。
目次
おやつの役割
学童保育は子どもたちにとってはもう一つの家です。
共働きの家では平日の夕食の時間が午後七時をすぎてしまうのが一般的。
そのため学童保育所ではおやつを提供している施設が多いでしょう。
●栄養素などを補う食のひとつ
おやつは食事と4時間ほどの感覚をあけて食べられる間食です。
子どもたちにとっては食事で不足する栄養素を補う捕食としての役割があります。
学校の給食から家庭での夕食までの空腹を満たすという役割も兼ねていることは間違いありません。
もしおやつの提供がなければ、帰宅後夕食前に間食してしまって夕飯が食べられなくなるという弊害が起きる可能性もあります。
●リラックスタイム
放課後子どもたちは静かに遊んだり絵本を読んだりしていると思われがちですが、基本的にはテンション高く遊んでいます。
もちろん宿題をしたり絵本を読んだりしている子もいますが、特に学校の敷地内にある学童保育所の場合は全力で学校のグラウンドを使って遊んでいる子も。
そのためおやつの時間は子どもたちが静かにリラックスできる時間でもあるのです。
学校の中ではないのでざわつきはありますが、心と身体を休めるという役割もおやつは担っています。
ずっと騒がしいままでは落ち着きません。
おやつは学童保育で過ごす子どもたちの生活リズムを整えているのです。
●社会性を学ぶ
学童保育所にもよりますが、おやつの時間に班活動を行っている施設もあります。
上級生が下級生におやつをとりわけてあげたり、おやつの時間に班のメンバーが揃っているか確認したり、習い事などで早く帰らなければいけない子のおやつをまとめて持たせてあげたりということも。
おやつを食べるスペースを作るために机を出し、机を拭いて、食べ終わったら机を片付けるなど、子供同士が関わり合いをもち、さまざまな役割を体験しつつ関係を深める時間でもあるのです。
その上で、準備や片づけの段取り、おやつの分け方やお休みの子、早く帰る子への対応など知恵や技術を身に着けていきます。
さまざまなおやつの提供してみよう
学童保育によってはチョコレートやスナック菓子を提供しているという施設もあります。
コロナ禍で手作りのおやつを提供することに問題がでている場合もあるでしょう。
さらに黙食ように自治体から指示がある場合もあります。
そんな中でも食育に力を入れている学童保育もあるのです。
●季節感のあるおやつ
最近ではスナック菓子やチョコレート菓子でも季節感を出しているものがありますが、その中でも和菓子や旬の果物が季節感を感じられて食育にもつながっています。
りんごやいちご、さくらんぼにひなあられやちまき、柏餅やわらび餅など。
提供する際に果物であれば産地、昔ながらのお菓子であればその歴史や由来などを子どもたちと一緒に調べてみるのもよいですね。
●ご当地おやつ
日本の菓子文化にふれることも食育につながります。
日本各地の名産おやつを提供してみるのはいかがでしょうか。
広島の紅葉まんじゅうや京都の八つ橋、北海道の白い恋人など、なぜこの土地でこのお菓子が売られるようになったのかを紐解いていくと歴史の勉強にもなるでしょう。
●食感がおもしろいもの
柔らかいものを食べる傾向が多い子どもたち。顎が細くなったり、歯周病が増えていたりとさまざまな弊害があります。
そのため、スルメや硬いせんべい、焼いた小アジなど、顎を鍛えるような噛みごたえがあるものを織り交ぜ、よく噛んで唾液もださせることで口内環境を整えることもおやつのあり方としてはアリでしょう。
●お腹にたまるもの
帰宅するとすぐに夕食があり、食事が入らなくなるという子には控えさせないといけませんが、夕食が20時を回ってしまうという子はある程度お腹にたまるものを提供したいところです。
そのため、焼きおにぎりやパン類、団子類を提供している場合もあります。
保護者の意向にできるだけ沿い、子育て支援を行っていきたいところです。
●手作りのおやつ
コロナ禍でひかえられていますが、定期的に手作りおやつを用意したり、常に手作りおやつを提供している学童保育所もあります。
支援員や指導員の方の手が入ったものを食べるのは子どもたちも市販品とは違う温かみを感じるようです。
焼くだけで提供できるような食材でも学童施設内で作られると子どもたちは食欲をそそられます。
おやつで五感を刺激することも子どもたちの心身の成長に寄与することとなるでしょう。
いかがでしょうか。
食文化や旬の食材への興味、自分自身の身体への関心を得られるおやつ。
その役割を考えつつ、子どもたちにより良いおやつを提供していきたいところです。