お電話での問い合わせ

050-3315-0377

震災と子どもの心-不安を感じるのは自然なこと

 

災害が多い日本。今現在も能登半島地震のニュースは日々メディアから流れてきます。
そんなニュースを日々見ていると、心がつらくなったり、気分がふさぎ込んでしまったりするのは、感情を持つ人間として当然です。
そんな感情は無理して押し殺したりせず、自然なことであり大切なサインである、と受け止める必要がありますし。これは子どもも大人も同様です。
そんな中、「地震・災害のときにできるこころのケア」というサイトを立ち上げた児童精神科医の小澤いぶきさん。いったいどんなことが書かれているのか、ちょっと覗いてみましょう。
(※2024年1月31日(水)朝日新聞朝刊を参考にしています)

「地震・災害のときにできるこころのケア」サイト
https://kodomocare.studio.site/

何度も報道されると自分に重ね合わせてしまう

被災した地域に住んでいなくても、今住んでいるところで地震の揺れがあったりすると、東日本大震災のあの悲惨な状況を思い出してしまう方もいるでしょう。
安全だと思っていたものが安全でないこと、あたりまえにあったものが無くなること・・・喪失体験に近い感情を持つ人もいるかもしれません。

子ども自身が見られる情報は少ない

子どもは断片的で衝撃的な情報しか頭に残らないこともあります。
どんなことが起きていて、何ができるのか、知りたくても、あるいは親も知らせたくても余裕がないこともあります。
子どもには以下のような変化が現れることがあります。
・今まで普通にできていたことができなくなる
・おねしょをするようになる、その回数が増える
・好きだったものが食べられなくなる
・一人で寝るのを怖がる
これらはとても自然な反応です。その中で自分の世界に没頭して安心感を得たりすることがあります。何かにこだわる子はさらに執着し切り替えができなくなったりします。

ごっこ遊びは止めないで寄り添って

子どもたちは、遊びを通して今起こっていることの対処法などを表現することが良くあるそうです。ごっこ遊びはその一つで、「津波ごっこ」「地震ごっこ」もその延長です。
子どもは遊びの中に何かを再現したり見立てたりします。
そして自分なりに周りや社会で起きていることに対処しようとし、折り合いをつけるそうです。
そんな時大人はどう対応したらよいのでしょうか。
周りに聞こえてしまうので、大人はすぐに「不謹慎だからやめなさい」と言いたくなりますが、やめさせないこと。
先回りしすぎないように見守り、例えば「塀が揺れているね」「とてもびっくりしたね」など子どもたちの気持ちを受け止めるような声掛けをしましょう。
子どもが「怖かった」と気持ちを表現してくれた時は、「そうだね、怖かったね。伝えてくれてありがとう」など声掛けをしながら「私もとても怖かった。怖いって感じるのは自然なことなんだよ」と認めてあげましょう。
また、「どんなことをしている時がほっとする?」と子どもの感覚的なことを聞き、一緒にその時間を作ったり共有したりましょう。子どもには「話したいときはいつでも話していいんだよ」と見守るような言葉かけをしましょう。

残酷なストーリー展開にする子どもにはどうしたらよい?

子どもがごっこ遊びをしながら「・・・全員死んでしまいました・・・」などと悲劇的な結末を話こともあるでしょう。そんな時大人はどう対応したらよいでしょうか。
子ども本人も悲劇的な結末を迎えるストーリーの時は、ちょっとつらそうにしていたりするのではないですか?
そんな時大人は一緒にその遊びから離れる時間を作ってあげましょう。また違う終わり方を一緒に考えながらストーリーの結末を変更するのもいいですね。

大人も余裕がないけれど

大人自身も余裕があるわけではありません。日々の暮らしが精いっぱいで、子どものメンタルになかなか寄り添えないのは理解できます。「大きな余震が来るかもしれない」「死んでしまうかも」そんなことを考えてしまいがちです。
ただ、思考だけを切り替えるのはとても難しく、その場にいてもなかなか切り替えることができません。そんな時は行動から変えて頭も一緒に切り替える、そんな時間を持つもの一つの手です。
子どもにはぜひ「今座ってできる遊びを一緒にやろう」と切り替えるような声かけをするのもおすすめです。

子どもには何か役割を与えてあげて

子ども自身が楽しめる範囲で何か役割を与えてあげるのもいいですね。
少しの時間でも夢中になれますし、「自分は役に立っている」と実感できるかもしれません。
また、適切な情報やこれからの見通しなどの情報を伝えると子どもは安心します。
例えば「自衛隊に人がいたね」と声をかけ、人々の安全のために色々な人が頑張っていること、またちょっとずつだけど、できることが増えていっていることなどを伝えるとよいでしょう。
「心配はまだまだ多いけれど、少しずつ良くなっているので見守っていこうね」と安心できるような言葉かけをこころがけましょう。

今すぐ電話相談

050-3315-0377

お問い合わせ

資料請求