学童保育所の指導員・支援員同士の報連相に必要なこと
幅広い年齢層の方が在籍している放課後児童支援員・学童保育指導員。
スムーズに運営していくためには「報告」「連絡」「相談」のいわゆる報連相が大事になってきます。
しかし、ICTシステムを利用しての報連相も生産性がないものになると次に同じ問題が発生したときに活かせません。
学童保育所の現場で支援員や指導員の報連相に必要なことをご紹介しましょう。
目次
話は長いが実りがない
新人の職員だけでなく、トラブルが起きたときや気になること、わからないことがあったときに先輩職員に一生懸命伝えようとするけれどなかなかうまく伝わらないという方がいらっしゃるでしょう。
学童保育の現場ではなかなか思ったことが伝えられない職員同士が報連相を行おうとしてどうしても話が長くなってしまいがちです。
結局何が言いたくてどうしたかったのか、どうすればいいのかが共有できないという実りがないままタイムリミットが来てしまい、次に同じような問題が発生したときに前回のことを活かせないということがあります。
伝わる話し方とは
学童保育所の現場は職員同士の連携が必要になります。
支援員が指導員に説明して、情報共有がしっかりでき、今後の取り組みを実践できる状況であることが大切です。
しかし、上記でお伝えしたとおり、多くの現場では共有する時間が長いのに共有が不十分という状態が起こってしまいます。
そうならないために抑えたいポイントは
●現状を伝える
●現状そうなっている理由を伝える
●その理由から今後の対応を伝える
この3点を揃えて伝えることです。
最初は難しいですが、意識して伝え方を練習することでどの支援員も指導員も共有時間が短く的確に伝えられるようになります。
報連相をしたつもりで丸投げしている
「報連相」をしなければと思って、「こんなことが起きた。どうしたらいいか?」と伝えたとします。
現状は伝えられていますが、そうなった理由と今後の対応に対する行動、解決法案が伝えられていません。
指導員にそれだけ伝えられた支援員や上長は、まず現状の把握をやり直さなければいけません。
最初に報連相をしてきた職員は情報を伝えただけで報連相を完了したつもりですが、これでは報連相ではなく問題を丸投げした状態です。
上記の3点を揃えて話すことで報告された側は、今後の対応をどうしたら良いのかに対する案を検討すること、最終的に判断をすることに時間をかけられるので職員同士の情報共有もすぐに終わるでしょう。
報連相に足りないこと
報連相をするために伝わる話し方のポイントはわかりました。
しかし、報連相をしていたにもかかわらず大きなクレームになることもあります。
報連相に足りないこととはどういったことでしょうか。
明確な基準
報連相には明確な基準がありません。
同じ事象に遭遇しても人によって
・事後報告で良い
・相談するほどのことじゃない
・今すぐ報告しなければ
と「報告」の基準すらないのです。
事後報告でいい、相談するほどのことじゃないと経験の浅い職員が判断した結果重大なクレームに発展して大問題になることがあります。
経験の浅い職員だけでなく、経験がある職員も
・何をどのタイミングで報告したら良いか、感覚でやっている
・悩むときがある
というほど基準が曖昧なのです。
学童保育の現場は職員同士のチームワークが大切です。報連相の基準を明確にし、情報の共有、理解を深めておくとより働きやすくなります。
子どもがケガをしてもちょっとだから「まあいいか」と判断する人から報告があがってこない、ということではダメなのです。
何をいつ、報告、連絡、相談すれば良いのか基準を明確にしておきましょう。
例えば
・出席確認がとれなかったら
・どんなに軽くとも子どもがケガをしたら
・施設運営に関わるケース
・特に配慮が必要な家庭の子になにかしらあった場合
・一人で責任をとれない場合
など、学童保育施設内でルールを決めて、個人任せにしないことです。
情報の共有
しっかりと報連相をする基準をクリアして他の職員に起こった事象が伝えられる状況が整ったのに、冒頭の伝わる話し方ができていないことで情報の共有がうまくできていないと報連相として次に活かせません。
こんなことがおきました、どうしたらいいでしょうか
こうしたらいいよ、よろしくね
もし学童保育の運営者が一方的に指示をだしたら、報告をしてきた指導員には、なぜそういった判断で指示を出されたのかがわからないので次に同じような事象が起きてもどうしたらいいのかわからず成長がありません。
もし思っていたような指示が来なかった場合、指導員は不信感を覚える可能性もあります。
この場合、現状とそれが起こった理由・解釈とともに今後の対応をこうしようと思うといった自分の意見を伝えることが相談者には足りませんでした。
また、相談された側はその事象が起こった理由を聞き出すこと、相談者の解釈や考え、意見を引き出して一緒に判断をすることを省いてしまいました。
これでは報連相がきちんと行われ、情報共有とともに問題解決に導くということができていないということになります。
職員間連絡機能を活用しよう
報連相に必要なことは情報を共有する基準や項目を決めておくこと、迷ったら報告すること、相談する人と解決方法を一緒に考えて判断することが大切です。
今後に活かすためにどういったことが起きてどういった判断をして解決に導いたか、記録して今後新しく入ってきた職員にも共有していくようにしましょう。
GAKUDOUの職員間連絡帳機能を利用してまとめていくのもオススメです。