学童保育で保護者との関わり方の基本

放課後児童クラブ・学童保育は、保護者と連携しつつ、子どもの生活の基盤である家庭での養育を支援することもその役割とされています。
保護者と連携を取るにはコミュニケーションが大切です。
ではどのように関わっていけばよいのでしょうか。
目次
保護者との連携を
厚生労働省の「放課後児童クラブ運営指針」によると
第1章 総則
2.放課後児童健全育成事業の役割
(3)放課後児童健全育成事業の運営主体及び放課後児童クラブは、学校や地域の様々な社会資源との連携を図りながら、保護者と連携して育成支援を行うとともに、その家庭の子育てを支援する役割を担う。
第3章 放課後児童クラブにおける育成支援の内容
1.育成支援の内容
(1)放課後児童クラブに通う子どもは、保護者が労働あるいは疾病や介護等により授業の終了後の時間帯(放課後、学校休業日)に子どもの養育ができない状況によって、放課後児童クラブに通うことが必要となっているため、その期間を子どもが自ら進んで通い続けるためには、放課後児童支援員等が保護者と連携して育成支援を行う必要がある。
と保護者との連携を取りつつ子育て支援していくことが定められています。
つまり放課後児童支援員や学童保育指導員は仕事として保護者との連携、対応を求められているのです。
保護者との関わりの基本
保護者との連携や関わりをしっかりと行うには、コミュニケーションが大切です。
大切なポイントを抑えておきましょう。
●普段の何気ないやり取りを大切にする
子どもは好きだけど、保護者対応は苦手です。何を話して良いのかわからないし、特に伝えることもないんですよね。
保護者とは毎日のコミュニケーションは欠かせませんし、コミュニケーションをとらないと信頼関係が深まりません。
信頼関係が深まっていれば、保護者とうまく付き合うことができるため、家庭環境に影響を与えることができます。ひいては子どもの利益に繋がるのです。
ちょっと受け付けられない要求をしてきたり、逆にまったく関わらない、提出物も出してくれない保護者がいますが、どっちのタイプにもマイナスな声掛けしかできないからできるだけ避けたいです。
学童ICTシステムを介して保護者とのやりとりを行えば、同じことを何度も伝えなくてもいいでしょうし、クレームを聞いているうちにプラスの声掛けがなかなかできないという場合もメッセージでプラスのことを伝えていけば、保護者も気持ちよくコミュニケーションを取ってくれるようになるでしょう。
例えばどんなことがよく受け止められるでしょうか。
共通の話題は子どもです。学童保育内での様子をよく見て一緒に遊びましょう。
一緒に遊ぶと子どもの様子がわかりますし、伝えやすいものです。
保護者はそういった情報を聞きたいと思っているので、保護者が求める情報を提供すると良好なコミュニケーションが取れるようになります。
●保護者が求めていることを具体的に伝える
保護者は学童保育所に「子どものことをちゃんと見て考えて保育してほしい」「子育て支援の観点から保護者への気遣いや配慮をしてほしい」といったことを期待しています。
子どもをちゃんと見ているかはお伝えしたとおり、一緒に遊ぶことでより具体的に伝えられるでしょう。
確かに現場経験の少ない指導員の中には「ほんとに子ども好き?真剣に考えてる?」と疑問に思う人もいます。そういう人は保護者への態度がぜんぜん違うのですが、保護者も見ている人は見ているのでバレてますよね。
子ども同士のトラブルが発生したときも支援員や指導員がきちんと子どもたちをみているとどんなトラブルが起きたのかを具体的に伝えることができるので保護者も安心ですし信頼してもらえるでしょう。
子どもたちのトラブルだけでなく、楽しく遊んでいたという内容もうまく伝えられたら良いのですが・・・。
いつ、誰が、誰と何をしてどんなふうにしていたかなど保護者がイメージしやすいように伝えると良いでしょう。子どもたちのセリフをそのまま伝えるのも保護者が喜んでくれるポイントです。
●支援員や指導員の立ち居振る舞い
どんな職場でも同じだとは思うのですが、トラブルが起こったときに同じことを伝えても笑って解決する支援員や指導員と、余計にトラブルに発展する支援員・指導員がいます。何が違うのでしょうか。
保護者との信頼関係が築けているかそうでないかの違いが大きいです。
子どもたちをよくみていて、保護者に感謝の気持ちや気遣いを忘れず丁寧な言葉づかいで対応する支援員や指導員であれば同じ内容でトラブルの報告をしても保護者が笑って許容してくれるでしょう。
逆に不信感をもたれている場合はトラブルについて根掘り葉掘り聞かれ、こちらの対応についてマイナスな言葉を投げかけられたりするのです。
見た目が保護者ウケしないような指導員でも保護者とトラブルがないということは信頼関係が築けているということなのでしょうか。
見た目は大切ではありますが、一番は保護者や子どもたちに対する姿勢や態度、笑顔や言葉遣い、感謝の気持ちを持っているなどの立ち居振る舞いや人柄が保護者への信頼に繋がるのです。
いかがでしょうか。まずは子どもたちをちゃんと見ていることが大切です。
信頼を得ていれば伝えたいことも伝えやすくなります。
信頼を得るためのトークマニュアルやICTシステムのメッセージ機能を使うのもオススメです。