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小学校の「早朝預かり」共働きからのニーズ増

近年、共働きの家庭は増え続けています。しかし保活激戦区ではまだまだ保育園が足りていない状況。さらには、小学校に上がってから「学童保育が足りない!」という保護者の悲鳴をよく耳にするようになりました。
今までは主に「放課後どうするか」が話し合われ、対策が講じられてきましたが、最近問題になってきたのが「朝どうするか」。
いち早く対策を表明した自治体の事例をご紹介します。
(2023年12月22日(金)朝日新聞朝刊を参考にしています)

共働き家庭「子供よりも早く出社しなければならない」

共働きの家庭が多く、都心に出勤するために子供よりも早く家を出なければならない家庭が多いとされる東京都郊外。
短い時間であっても子供を置いて先に「行ってきます」と言わなければならないのはちょっと心配です。
ちゃんと鍵をかけて家を出られるか、登校班の集まりに遅れないか・・・毎朝保護者は後ろ髪を引かれる思いでしょう。
かといって企業で自分だけ朝の出社時間を遅らせることは簡単ではありません。
教員の働き方改革もあり、以前よりも朝の開門時間が遅くなっているという背景もあります。

東京都八王子市の市立由井第一小学校では近所の苦情もあり・・・

2023年5月、こちらの小学校では朝の校庭開放を始めました。時間は午前7:45~8:15まで。子供たちを見守るのは委託された地域の団体です。
同校では2年ほど前までは開門を8時としていました。しかし校門の前で20~30人の児童が開門を待っている状態でした。
教員の勤務時間外のため、門の中に入れて何かあったら困るため、入れてあげたくても上げられない状態が長く続いたそうです。
さらに近隣から「道路に飛び出してあぶない」「騒いでうるさい」などの苦情もあったそうです。
そこで昨年からは門を入ったところで待機してもらっていたとのこと。
この地域では都心で働く保護者が多く、出勤時間が子供よりも早くなるケースが多いです。
そんな地域性や要望もあり、朝の校庭開放に踏み切りました。保護者からはとても好評だそうです。
早起きをする子が増えたり、不登校気味だった子が来るようになったりしたとのこと。
「ひと遊びするからか、朝の1時間目から活力が感じられる」と感じている教職員もいるそうです。
しかし、現実的にこのような朝の校庭開放を行っている小学校はまだまだ少数。八王子市内の70校のうち4校にとどまるそうです。
実際には地域の協力が得られないと難しいでしょう。ただ関心は高くニーズも多いため、市として支援する、と八王子市の担当者は話しています。

東京都三鷹市では15校で朝の校庭開放を始めた

2023年11月、三鷹市では15校で朝の校庭開放に踏み切りました。こちらも八王子市と同様に都心で働く共働き家庭からのニーズが高かったそうです。
午前7:30~8:30までの約1時間で、予算を付けて開門や見守りは業者に委託しているそうです。
三鷹市立南浦小学校では、初日にはなんと400人近くが校庭で過ごしたそう。いかにニーズが高かったことがうかがえます。
同校の校長は「子供の体力の向上、生活リズムの一定化など効果があり、教員としてもありがたい」と語っています。

学校敷地内の学童保育所を使う神奈川県大磯町

学校敷地内に学童保育所を設けていて、「朝の子どもの居場所づくり事業」を始めたのは神奈川県大磯町。2016年から町立の2小学校で実施しているそうです。
利用者は徐々に増えていき、この5年で利用者は2倍になったのだとか。
午前7:15~8:30までで、地域の有償ボランティアや指導員が子供たちを見守っているそうです。
当初は8:15まででしたが、教員の働き方改革の一環で開門時間が遅くなり8:30に延長したそうです。保護者の負担は保険料のみの1年300円。価格設定もありがたいですね。
ある保護者は「子供よりも早く家を出なければならないが、子ども自身は家に取り残されるのを嫌がっていた。ここが無いと本当に困る」と話しています。
子ども自身も「自分で家の鍵を閉めると、鍵を無くさないか不安だった」と話しています。親も子もありがたい支援となっているようです。
大磯町には様々な市町村から視察が訪れているとのこと。続けていけるのは送迎の手間がかからず、見守る人材が確保できているからだとのことです。

ここ10年でフルタイム勤務の母親が大幅に増えたのも要因

社会学者の早稲田大学研究員の品田知美さんは、「ここ10年、フルタイムで働く母親が急増したことが大きい」と話しています。
以前は一番早く家を出て、一番最後に帰ってくるのが父親でした。しかし、母親も同じように早く家を出るようになったことの表れでしょう。
男女の格差が是正されたことに伴い、自治体や学校の取り組みは保護者の支えになっているようです。
しかし根本的に必要なのは「父親の労働時間を減らせるように社会が動くこと」。
確かにこれはもう何年も前から言われていることですが、なかなか男性の長時間労働は解消されません。
母親ばかりに負担が集中する世の中はまだまだ簡単に変わりそうにはないですね。

専門家「起床が早くなるのであれば睡眠不足にならないように」

国立成育医療研究センターの森崎菜穂さんは「子供が授業前に身体を動かすことはとても良い取り組み」と語った一方で、早起きによる睡眠不足が懸念されるとのこと。
起床時間が早くなるなら就寝時間を早めるなどしなければならない、としています。
学童期の子供にとって最低でも8時間の睡眠は必要であり、宿題などの一部を朝に回したりして睡眠時間の確保に努めてほしい、と語っています。

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