2021年7月以降、川西市の運営する保育所、幼稚園、認定こども園といった保育施設12施設で「保育士バンク！コネクト」が導入されていました。

保育士の勤怠管理や給与支払いなどの事務作業に膨大な時間がかかっているという課題を課題を解決するためです。

保育施設への導入後は、保育士や事務員など職員の煩雑な作業がシステム化され、事務作業の効率化が図れたという結果を受けて、学童保育施設へもICTシステムの導入が進められることになりました。

厚生労働省が2021年12月24日に発表した、「2021年の放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)実施状況」によると、登録児童数は前年比3万7,267人増の134万8,275人、放課後児童クラブ数は2万6,925か所と前年比300ヵ所増となり、過去最多を更新しています。

共働きの世帯数は1245万世帯を超え、さらに増加中。

女性の社会進出により子育ての形も多様化しています。

そのため未就学児の保育施設と併せて学童保育施設のニーズも高まっているのです。

2018年9月14日に策定された「新・放課後子ども総合プラン」によって、学童保育施設は、2019年度から2023年度までの5カ年計画で今後も続くであろう女性就業率の上昇に対応するため、約30万人分の学童の受け皿の整備を行うこととされています。

こうした背景から、学童保育施設で働く職員が働きやすい環境を整えることが急務になりました。

学童保育のためのICTシステムで職員の業務負担を軽減させることもその一環となります。

※厚生労働省・放課後児童健全育成事業（放課後児童クラブ）の実施状況

https://www.mhlw.go.jp/content/11921000/000868247.pdf

川西市で導入された「保育士バンク！コネクト」は、保育現場で求められている機能を搭載しています。

今回川西市で導入の目的とされていた職員の勤怠管理や給与支払いなおの労務管理による事務作業はもちろん、児童一人ひとりの入退室時刻管理など、学童保育施設の職員が抱える日々の煩雑な業務をICTシステムを用いて効率化。

上記のような事務的時間を削減し、学童保育施設の職員が児童のために時間を割き、児童の安全をしっかりと確保・管理することで学童保育施設の運営における質の向上を図るためのサポートします。

川西市で導入されたICTのシステムの主な機能を抜粋すると以下の通りです。

シフト作成、管理

職員の日々のシフトを作成、管理する機能です。

配置基準を満たした人数や、放課後児童支援員や保育教諭など有資格者を考慮したシフトを月次、日次で作成することができます。

さまざまな要因から日々変動するシフトの修正も簡単に行えるようになっており便利です。

管理が煩雑になりがちな勤務時間がマチマチであるパート勤務の方のシフト計画や時間数の確認も簡単に行なえます。

残業、有給休暇等の申請・管理

学童保育施設職員からの休暇の申請や承認、管理も簡単に行うことができます。

有給休暇の残日数管理や、年次有給休暇管理、残業時間の管理などのリスト作成も可能です。

シフトや勤務表にも休暇や残業の申請が自動反映されるので、たくさんの帳簿を照合しながらのリストの作成や、転記のミスなどもなくなり確認も簡単になります。

給与計算に必要な集計データの作成、給与ソフトとの連携

パート勤務の方や変動労働制などの多様な働き方に対しても勤務体系を設定することができ、それぞれのデータを反映させることができます。

勤務データは設定別で集計ができ、集計したデータを学童保育施設ですでに利用していた給与ソフトとの連携も可能です。

職員Webアプリ

学童保育施設の職員専用のスマートフォン用アプリです。

職員自身がシフトや残業、有給休暇などのワークフロー申請が可能で、シフトの確認をすることもできます。

学童保育施設の職員は週末だけ勤務する方や小学校の臨時休校や長期休暇などに合わせてシフトの変更や緊急連絡の必要があるため、情報共有がスムーズになります。

勤務実績管理

児童の入退室管理と同じように、ICカードを使って打刻して出退勤の管理を行うことができます。

その際に、申請していたシフトと実際の勤務打刻の予定、実績がすぐにシフト管理機能に反映され、簡単に管理が可能です。

労働基準法に則った休憩時間についても自動で差し引く設定をすることが可能のため利便性が高いでしょう。

川西市の教育保育職員課の担当者が、ICTシステム導入について次のようにコメントしています。

「他部署から異動してきて驚いたのは、アナログ事務の多さ。日々の事務をこなすことで精いっぱいの中、現場からは「人が足りない」「労働環境が悪い」との声が。「このままでは何も変えられない」との危機感から、管理部門の事務を改善するために最初に目を付けたのが勤怠管理システムの導入でした。実際にシステムを導入してみると、これまで見えてこなかった現場の苦労をリアルタイムに知ることができるというメリットもありました。導入後もまだまだ課題は山積みですが、いまの労働環境を正しく把握することが、労働環境の改善の第一歩になると思うので、システムを導入してよかったと思います。」

また、「保育士バンク！コネクト」は、保育現場の事務作業効率化や負担軽減はもちろん、人材確保や施設に火曜自動、保護者に対する保育の質向上をサポートしていくことを伝えています。