文章生成AIの導入に関するアンケート調査結果
「チャットGPT」は注目を浴びる文章生成AIです。文部科学省は教育現場の適切な利用に向けたガイドラインを検討中です。
文章生成AIの導入に関するアンケート調査結果では、52.3%が小学校からの導入を支持し、15.4%が学校教育への導入に反対という結果が明らかになりました。
今回はこのアンケート結果について詳しく見ていきましょう。
目次
政策決定へのエビデンスといて活用
ICTスタートアップ企業・ポリミルが提供する目的特化型SNS「Surfvote」は、SNSとテクノロジーを活用した社会課題解決のための投票サービスです。
4月6日から6月30日までの期間に65人のユーザーが投票し、今回の教育現場へのチャットGPT導入をテーマに意見が集計されました。
小宮信夫教授は、チャットGPTの活用により個別の国語教育や創造性の育成が可能だと指摘しつつも、自身で文章を作る能力の低下や誤った情報への依存といった懸念を述べました。
このため、教育現場へのチャットGPT導入は、どの段階（小学校・中学校・高校）からが望ましいのか、導入そのものが適切かについて検討するために、テーマごとに投票できるイシューを提起しました。
投票結果は政策決定のエビデンスとして活用される予定です。
文章生成AI（人工知能）を学校教育に導入すべきか調査結果
投票結果は以下のとおりです。
小学校から文章生成AIを導入すべき・・・52.3％
中学校から文章生成AIを導入すべき・・・12.3％
高校から文章生成AIを導入すべき・・・15.4％
学校教育に文章生成AIを導入すべきではない・・・15.4％
その他・・・1.5％
わからない・・・3.1％
小学校から文章生成AIを導入すべきとする割合が最も高く、52.3％が支持しています。
中学校からの導入を支持する割合は12.3％で、比較的低い結果となりました。
高校からの導入を支持する割合も15.4％であり、中学校と同様の傾向が見られます。
学校教育に文章生成AIを導入すべきではないとする割合も15.4％で、一定の反対意見も存在します。
結果からは、文章生成AIの導入に関する意見が多様であり、教育現場での適切な導入についてさらなる検討や議論が必要であることが分かりました。
上記の結果が関係省庁や政治家へ提出されます。
投票者の賛同者が多かった主なコメント
投票したコメントについて賛同者の多かったものについてご紹介します。
小学校から文章生成AIを導入すべき
文章生成AIが人間の文章能力を超えるようになることは将来的に予測されます。
そのため一般的な文章能力への要求は低下するかもしれません。
しかし、AIを活用するスキルは必要不可欠となると考えられます。
文化芸術分野に進む人々は、自身の文章や絵のスキルを向上させることに注力するでしょう。
即座に学校教育にAIを導入すべきだと考えます。
中学校から文章生成AIを導入すべき
中学校からの文章生成AIの学校教育への導入は必要だと考えます。AIの発展により、文章作成の効率や品質が向上し、生徒たちがより高度な文章スキルを身につけることができます。AIを活用することで、表現力や論理思考の育成にも貢献し、現代社会で必要なコミュニケーション能力を育むことができるでしょう。
ただし、AI教育の適切な導入方法と教育目標を慎重に検討し、教育の質を確保することも重要です。
高校から文章生成AIを導入すべき
義務教育終了後に文章生成AIを導入するのが良いと思います。
義務教育では基本的な文章表現やコミュニケーション能力を育成することに重点が置かれますので、その基盤を築いた後にAIを活用することで、より高度なスキルを身につけることができます。
また、義務教育終了後にAIを導入することで、興味や必要性を感じた人が主体的に学ぶ機会が生まれます。
ただし、AI技術の進化に伴い、社会全体でのAIリテラシーの普及も重要な課題です。適切な教育と導入のタイミングを検討する必要があります。
教育に文章生成AIを導入すべきではない
AIは確かに非常に便利であり、特定の作業を人間の代わりに効率的に行えると言えます。しかし、創造性や新しいアイデアの生成に関しては、現時点では人間にしかできないと考えられています。人間の感性や想像力、倫理的な判断力は、AIが模倣することが難しい領域です。
AIの発展は人間の生活を豊かにする一方で、人間の存在意義を否定するものではありません。むしろ、AIの進化によって人間は新たなチャレンジや創造的な活動に取り組むことができるようになるでしょう。人間の持つ感性や個性は独自の価値を持ち、AIとの協働によってより進化した社会や文化を築くことができると考えられます。重要なのは、技術の発展を人間の幸福や進歩のために活かすことであり、人間とAIの持つ能力を最大限に引き出すバランスを保つことです。
導入すべきかわからない
具体的な導入時期は明確ではありませんが、読み書き能力や適切な判断力を身につけることが先決だと考えます。
これらの基礎を固めた上で、適切なタイミングで導入することが重要です。
教育現場では、学習段階や必要な能力に応じたバランスの取れたアプローチを検討し、生徒の成長と教育目標を考慮しながらAI技術を導入することが望ましいのではないでしょうか。
いかがでしょうか。
創造性を育む教育に重点を移せ、質問力やコミュニケーション能力が高まり、個人の能力に合わせた国語教育ができる一方で、自分の頭で考える習慣がなくなり、文章を書く能力が低くなるとされる文章生成AI。
政府の導入の仕方と指導者の資質、児童・生徒の受け取り方で導入の効果が左右されるため慎重を期す必要があるでしょう。
