小学生とお金とキャッシュレス決済

お店屋さんごっこから銀行ごっこなどに発展していく子どもたちのお金事情。
保護者の方もお小遣い帳などをつけさせてお金を管理する方法を伝えているケースもあります。
小学校にあがったこと、学童保育に入室することをきっかけにお子さんにキッズケータイや鍵、お金など貴重品をもたせるご家庭もあるでしょう。
まだお金の価値について未熟な子どもたちですが、最先端のIT機器を使ったお金に関する授業も行われています。
目次
日常になったキャッシュレス決済
文字どおり、現金を使わずに支払いを済ませる方法「キャッシュレス決済」。
キャッシュレス決済の種類は、クレジットカード、デビットカードをはじめ、Suicaやnanacoなどの電子マネー、各種プリペイドカード、QR/バーコード決済などさまざまです。
コンビニエンスストアやスーパーなどでも日常的に利用するようになり、持っているカードやスマホに入れているアプリケーション上での支払いができない場合焦る場面がでてくるほど、現金を使用することがなくなってきました。
2022年4月から学習指導要領の改定に伴って、高校生の家庭科の授業に「資産形成」に関する項目が盛り込まれ、今は一部の大人が関心をもって勉強するような「投資」に関しても授業の一環として子どもたちは学習することになります。
小中学校など早くから金融やお金に関する知識を得て置くことが必要な時代になっているのです。
小学生を相手にしたお金の授業
子どもたちを取り巻くお金の環境はどんどん変化しており、時代の流れに合わせて周囲の大人もキャッシュレス決済が当たり前のようになっていっています。
そんな中、小学生に向けたキャッシュレス決済やお金に関する授業やイベントが開催されるようになりました。
小1、2年生の電子決済体験
郡山市の郡山ザベリオ学園小学校で行われたタブレットを使った電子決済について学ぶ授業。
「みらいのおみせやさん」というテーマで1・2年生の児童が「電子決済」について学びました。
子どもたちに最先端の情報通信技術を体験してもらおうと企画された授業で、入り口は子どもたちが自分たちで考えた商品を売るお店屋さんを考えることです。
お店や商品をPRしたあとに、タブレットの電子決済による商品の販売や購入を体験しました。
2年生の男子児童は「楽しくてたくさん買いすぎてもう0円になりました」とニコニコインタビューに答えており、こうした経験が実際にお店を訪れたときに活かされるのでしょう。
今後もこの学校では最先端の技術を活用して子どもたちの表現力向上を目指すとのことです。
小学校1年生から行われるこうした経験を子どもたちはしっかりと吸収していくでしょう。
総合マネースクールの出張授業
日本最大級の総合マネースクールであるファイナンシャルアカデミーが行ったのは、「キャッシュレス時代の小学生のためのお金の授業」。
小学校向けの無償授業で、開催希望校を公式ホームページ上で募集して行われました。
オリジナルのボードゲームで遊ぶ感覚でお金の機能、付き合い方を学び、その上でキャッシュレスに対する理解を深める内容となっています。
キャッシュレス決済はいわゆる後払い。現金と違って手持ちがないから買えないということがありません。
そのため支払いの時点で振り回されるケースもあります。
物心ついたときから周囲にキャッシュレス決済があった子どもたちが、お金を使うことや稼ぐこと、貯めることや募金することを知って、トラブルなく付き合えるようになることを目的とした授業です。
いきなりキャッシュレスではなく、お金の歴史から、小学生のうちに知っておくべきお金の大切なことなどを子どもたちが知る機会です。
授業の開催対象が小学校だけでなく、教育委員会やそれに準じる教育機関、PTAなどとなっているので、学童保育所でも行った施設があるかもしれませんね。
明治大学の出張授業
明治大学を飛び出し出張授業をおこなったのは、貨幣論・決済システム論を専門とする政治経済学部の小早川周司教授。
「お金」「キャッシュレス」というテーマで東大発の知識集団QuizKnockメンバーと会場に集まった小学生とクイズを交えつつ、お金の未来について学びました。
実際に出題されたクイズの一例です。(引用:日経お金の教室)
キャッシュレス決済の将来として私たちができる可能性があるものはどれ?
全て選んでみてください。
A
自然災害などが起きてインターネットがつながらない場合でも、キャッシュレスで支払いができる。
B
代引きサービスを利用しなくても、商品が自宅に届くのと同じタイミングで、支払いを自動的に完了できる。
C
米国に住む友達に、瞬時にお金を送ることができる。
この問題の正解は、実は全部なのです。
小早川周司教授は
「キャッシュレスの普及で、災害時に現金がなくても円滑に支払いができるようになるだろう。さらに、海外への送金も瞬時にできるなど、キャッシュレスは社会の仕組みや生活を大きく変える可能性を秘めている。あらゆるモノがネットにつながるIoT技術も相まって、スマートな(賢い)お金の利用はますます増えていくだろう」と期待しています。
いかがでしょうか。
25年までにキャッシュレス決済の比率を4割り程度に、世界最高水準の80%を日本は目指すとしています。
ICTシステムにより学童保育所の保育料や延長料金もキャッシュレス決済で支援員や保護者の負担が軽減されるようになってきました。
今後子どもたちが長い時間を過ごす学童保育所の中でもお金の大切さを知り、キャッシュレス決済の世界をリードしていくよう、保護者と連携をとりながらその成長をサポートする機会も増えてくるのではないでしょうか。