食から子育て支援!学童保育所のこども食堂各地でオープン

子どもの7人に1人が貧困層と言われている昨今。
満足に食事をとることもできない子どもも増えています。
そんな中、各地で子育て支援、地域のコミュニティのひとつとして各地で立ち上がっているのが「こども食堂」です。
学童保育所をステージに、大人も入れる食堂としてオープンしているものや、完全に学童保育所の子どもたちの給食という位置づけでオープンしているものなどその提供形態はさまざまですが、ともに子どもたちの心身を支える一助となっています。
こちらでは学童保育所のこども食堂についてオープンの背景や内容についてご紹介しましょう。
目次
見えづらい貧困の連鎖
17歳以下の子どもは2018年の時点で約7人に1人が貧困状態にあるとされています。
栄養バランスの採れた食事ができない、適切な医療が受けられない、家事やアルバイトに追われて友達と遊んだり、部活動に参加できなかったり、進学を諦めなければならなかったり。
親の所得に比例して、子どもの学力や体力、健康状態だけでなく、友達の数に差がでるという結果が出ているのです。
それが起因となりいじめにあったり不登校になったりということも増え、総じて自己肯定感が低くなると言われています。
自己肯定感が下がると、人と会う機会が減ったり、社会とのつながりがなくなったりとますます貧困から抜け出せないという貧困の連鎖が生まれます。
しかし、今の日本は服や食べ物が格安で手に入り、親との連絡手段としてスマホを所持している場合も多く、貧困の連鎖すら見えづらい状況にあります。
その子どもの保護者自身も適切な医療を受けられない、三食の食事がとれないという場合もあるのです。
学童保育の現状を打破するために生まれた子ども食堂「あかまスマイルカフェ」
オープンの背景
10月26日に福岡県宗像市赤間地区コミュニティ・センターで子ども食堂「あかまスマイルカフェ」がオープンしました。
地域学校協働活動推進事業の一環で、子どもの居場所づくりのために今年4月に設立された市民活動団体「あかまスマイルカフェ」が運営しています。
夏休みに地区の小学校の公設学童保育所の手伝いに行った同団体の代表が、子どもたちが食べていた食事の現状にショックを受けたのがオープンのきっかけでした。
「とにかく野菜が少ない。揚げ物ばかり。菓子パン一つという子もいて、子どもたちの食がとても心配になった」とのこと。
周囲の友人知人に相談し、およそ30人の協賛者と共に団体を設立しました。
子ども食堂の概要
地元の食材を使った食事をこども100園、高校生以上350園で提供しています。
地元住民から家庭菜園で採れた野菜の寄付を受けたり、地元農家から商品にならないが加工すれば食べられる食材を無償や低額で提供してもらうことで「地元の野菜をたっぷりおいしく」をコンセプトに、野菜を多く使い、添加物をできるだけ少なくし、「子どもが喜ぶメニュー」を心がけて提供しているとのことです。
オープン当日は市内で捕れたイノシシが提供され、それを使ったカレーがメニューに加わりました。
地産地消をしつつ、地元の宝である子どもたちの食を支えつつ子育て支援をしてく取り組みが行われています。
現在はコロナ禍でテイクアウトのみですが、いずれは一緒に食事をしたり、おしゃべりをしたりすることができる子どもたちの居場所にしていきたいとうことです。
学童保育所の支援員とまではいなかくとも、見守る大人の目が増えることで、子どもたちが保護者以外の大人と関わり、悩みを話せるようになるということもあるのではと期待されています。
調理を手伝いたい小学生を募集しているということもあり、食育や子どもたちへの気づきや体験をさせる取り組みも行われています。
オープンは毎月第2、第4水曜の16時〜18時の間です。
学童保育所をいずれは世代間交流の場に子ども食堂「おっちゃんこ」
オープンの背景
北海道内の町村で一番人口が多い音更町に4つ目の子どもの食堂「おっちゃんこ」がオープンしました。
会場は腸内の柳町学童保育所。
コロ中の影響で3ヶ月遅れのオープンでしたが、小学校児童3人と高校生が2人訪れました。特に保育士を目指しているボランティア部の生徒は、「なにか手伝いたいと思って参加した」とのこと。
運営代表者は飲食店を経営しており、この子ども食堂が「地域の交流の場として広まれば」「親子での参加も歓迎する。将来的には老人クラブの方々にも呼び掛け、世代間交流の場にしていきたい」と話しています。
子ども食堂の概要
毎月第3日曜午前11時〜午後1時に学童保育所施設を利用してオープン。
町内の柳町小学校と緑陽台小学校の児童と保護者らを対象として、1人500円で昼食と交流を楽しめるようになっています。
今後はコロナ禍の状況を見ながら定期開催される予定です。
学童保育所内でボール遊びや折り紙を楽しんだり、メインメニューだけでなく、デザートにフルーツやプリンなどが提供されたりとすでに交流の場となっている模様。
訪れた小学生も「面白かった。また来たい」と喜んでいました。
いかがでしょうか。
現在クラウドファンディングを利用して学童保育所兼子ども食堂を建てようと考えている団体代表者も散見され、子どもたちを地域で育てていこうという考え方に賛同している投資者がたくさんいます。こうした地域とのつながりを深めつつ子育て支援につなげる学童保育所の活用方法もあるのです。