自治体保育ICT推進担当者座談会からわかる「ICT導入の秘訣」
保育のICTシステムとして知られる「コドモン」と自治体の保育ICT推進担当者が具体的なICTシステム導入の経験談について語り合った内容が公開されました。
導入するうえでどのような苦労があり、乗り越えたのか。導入してよかったことなど「ICT導入の秘訣」が語られています。
これから導入される学童保育施設の運営者の方はもちろん、現在システムを導入していてもっと使い勝手良くできるのではと悩んでいる方もぜひ参考にされてください。
目次
導入の苦労を乗り越える
導入後の施設様の声を聞くと、振り返るとそんなに苦労はなかったというお声をいただくことが多いです。
しかしたくさんの施設にまとめて導入を行う自治体の保育ICT推進担当者はやはり多数の苦労が合ったようです。
導入時の変化の大きさをコミュニケーションでカバー
一番苦労したこととして挙げられたのが導入の際の他の部署との連携。
インターネット環境やセキュリティなどさまざまな契約を結んでいくことが必要な上に、数種類、数箇所の保育施設を連携させて管理していくという難しさがありました。
連携・共有をコミュニケーションをとることで、取り残される施設、部署、人がいないように配慮し、決定権あるICT担当者自体がICTのことをよくわからないケースも多かったため、ICTやアプリで何ができるのかから始めたとのことです。
また、補助金を使っての導入の調整の難しさも、自治体によって補助金の使い方のスタイルが違ったことからその大変さが伝わります。
それも各部署の詳しい職員に強力をもとめ、コミュニケーションをとり、効率化やデジタル化に意欲的な仲間の中で試行錯誤しながら乗り越えたとのことです。
新システムも2ヶ月ほどでだいたい慣れる
導入後出欠席の連絡から入り、登降園管理を始めるようになり、2ヶ月後にはお知らせ一斉配信なども運用していたため大体2ヶ月で職員の方は慣れたということを肌で感じられたそうです。
若い先生であれば1ヶ月もあれば流れをつかめますし、2ヶ月あれば「こんな感じか」とガジェットに苦手意識があるベテランの先生たちにも浸透していったとのこと。
保護者の場合は最初のアプリの登録にちょっと手間取ったほどで、質問もほぼなく使い始めてすぐに慣れていたとのことで、使い始めてすぐに使いこなしていた保護者も多かったようです。
導入の秘訣
導入後しばらくして、今振り返ってココがポイントだったと思う導入の秘訣についても語られました。
ゴールを明確にする
導入後の変化を明確に知ってもらい、ゴールを共通にんしきしてもらうことが大切と自治体の保育ICT推進担当者。
導入したらどのようなメリットがあるか、リストにして見える化したとのこと。
具体的には費用対効果や人件費の削減率、業務の効率化できることです。
ICT化したあとの保育施設のイメージを施設側にも保護者側にも明確に説明できたことがポイントだと感じられていました。
また、疑問点や話し合ったこと、その結果で足りない調査やちょうさした結果を全部明文化して全施設に共有、学童保育所の支援員など現場の先生たちが今どういうことを話し合い、どういうことを決めていいるのかが伝わるような環境をつくっていました。
現場ファースト
施設側に一斉に導入を勧めていくのは難しい部分も合ったとのこと。
その際に大切にしていたのが現場の先生方の本音を聞いて実現するにはどうすべきかを行政側で考えるという、先生や支援員の方を優先させる現場ファーストで動いていったことなのだそうです。
たくさんの子どもたちのお世話をしながら事務作業もやっているという果てしなく大変な仕事をどうにか軽減できないかという気持ちから動いて、現場の職員さんがアナログでやっている事務作業をどうしたらやりやすいかという実際に保育に携わる人にしかわからない声を拾い上げていくことで、現場の職員も導入を前向きに捉えてくれます。
また、現場の方で得意そうな方に推進派と保守派とまとめ役がいるとスムーズです。
どうしても若い先生が得意なことになってくるので、施設長側から背中を押してもらうと動きやすいでしょう。
疑問と答えを共有する
数カ所の保育施設に同時に導入していく際、都度それぞれの保育施設の声を拾い上げながら同時に進めていったため、同じような質問を受けることも多々ありました。
そこで保育士や支援員の先生方から出た質問に関するQ&Aを自治体の部署内だけでなく、導入を進めている保育施設に関わるかた全員に共有できるようにしていきます。
他の施設でも同じような疑問があるということがわかると先生方も安心しているようでした。
各保育施設であがった質問を自治体でとりまとめて公開するという形をとられたところかなりよい結果に繋がりました。
保護者からの質問に応えることもスムーズなのでクレームもありません。
タブレットやスマホに抵抗がある保護者がほぼいなかったことも功を奏したのでしょう。
現場という本当に必要なところに必要な機能をあてがうことができるICTシステム。
学校から「ただいま」と学童保育所を訪れる子どもたちに向き合う時間をたくさん作るためにも効率化できるところは秘訣を抑えて導入をしていきたいところです。