年越しそばやおせち料理について子どもたちと調べてみよう

もうすぐ年末年始のお休みに入ります。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、帰省や旅行を控えているというご家庭も多く、学童保育所の児童も家からあまり外に出ないというケースもあるでしょう。
そんな年末年始お子さんが楽しく過ごせるよう、日本人の伝統的な食文化に触れることができる機会を活かして年越しそばやおせち料理、お雑煮について調べてみるのはいかがでしょうか。
目次
日本の伝統的な食文化
2013年12月、ユネスコ無形文化遺産に「和食:日本人の伝統的な食文化」が登録されました。
農林水産省によると、無形文化遺産として登録された和食とは、明確な和食のメニューではなく、和食をとりまく文化のこと。
海や山など自然豊かで多様な食材が用いられる和食は、その素材の味わいを活かす調理技術や調理道具も発達しているという、「多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重」。
世界的なヘルシーブームで和食が広がったことからもわかる「栄養バランスに優れた健康的な食生活」。
季節の花や葉などで料理を飾り付けたり、季節に合った器などをりようしたりして季節の移ろいを楽しむのも日本人ならではの「自然の美しさや季節の移ろいの表現」でしょう。
そして日本の食文化は「正月などの年中行事と密接に関わり」をもって育まれてきました。
自然の恵みである「食」を分け合い、食事の時間をともにすることで家族や地域の絆を深めてきたのです。
そうした日本の伝統的な食文化を形作る主役の伝統料理や郷土料理を学童保育所で学んでみるのもオススメです。
お正月休みの宿題としてご家庭に提案してみるのも良いかもしれませんね。
年末年始の食文化の由来
年末年始の和食といえば、年越しそばにおせち料理、お雑煮でしょう。
なぜ年越しにそばを食べるのか、年始におせち料理を食べるのかなど深く考えたことがある方も少ないでしょう。縦に長い日本ならではの多種多様な食文化は調べれば調べるほど面白いものです。
ぜひ子どもたちと一緒に調べてみましょう。
年越しそばを食べる理由
江戸時代に定着した年越しそば。その慣習の生まれは鎌倉時代まで遡ると言われています。
年越しそばの由来は諸説あります。
そば粉や長く伸ばして細く切って食べる食べ物であることからそれにまつわる由来があるのです。
長寿や家運長命
前述の通りそばは細く長いもの。そこから長寿や家系が長く続くように願いを込めて食べると言われています。
そばは雨風がきて倒れても陽の光を浴びると元通りになる強い植物。その姿から健康祈願も含まれています。
悪い縁を断ち切る
食べているとそばは切れやすいですね。この一年の災厄を断ち切る、借金も含めたネガティブ要素をきれいさっぱり切り捨てて、新年を気持ちよく迎えようという気持ちで食べるという言われもあるそうです。
金運など運気アップ
年越しそばの始まりと言われる「運そば」「福そば」「世直しそば」は、鎌倉時代にそば餅をふるまったところ、次の都市から町民みんなが運気UPしたという言い伝えがあります。
また、金銀の細工師が飛散した金粉を集めるためにそば粉を使ったとされており、「金を集める」「金運UPする」と言われたことからそばが食べられる様になったと言われています。
おせち料理・お雑煮を食べる理由
おせち料理
お正月くらいは家事をしなくていい、お正月はかまどに火を入れてはいけない、などのいわれから、保存性の高い食材や調理法を用いられるおせち料理。
めでたさを重ねるという意味で重箱に詰められます。
もともとは作物の収穫に感謝して神様にお供えしていた「御節供(おせちく)」を一年でも一番大切な節日であるお正月にふるまう料理を「おせち料理」と呼ぶようになったのだとか。
おせち料理はその内容一つひとつに意味が込められています。
例えば「数の子」はニシンの卵で子沢山なことから「子孫繁栄」を意味しています。
「田づくり」は田を作るという名前から「豊作」を意味し、黒豆はマメに働き、マメに暮らすから転じて「無病息災」を願う食べ物です。
昔ながらのおせち料理とお正月にであったら、写真を撮っておいて料理一つひとつに願いが込められていることを子どもたちに伝え、一緒に調べてみると面白いでしょう。
お雑煮
お雑煮の具にはお持ちが欠かせません。
これはお正月にやってくる年神様をお迎えするために、前年に収穫したお米から作った餅を供えて、そのお下がりとしてお雑煮を頂くというところから始まった文化と言われています。
お雑煮はおせち料理と同じく地方によってかなり違う特徴があり、ご当地グルメといえるでしょう。
お餅ひとつとっても、岐阜県から東は角餅、滋賀県から西は丸餅が多く使われ、焼いてから入れる、煮てからいれる、揚げてから入れるなどさまざまです。
味付けもすまし汁、白味噌や合わせ味噌、小豆とさまざま。
具材も多様です。
ご家庭それぞれの味があるので、学童保育所の子どもたちにご自宅のお雑煮のレポートをしてもらったり、ご両親の出身地のお雑煮を教えてもらったりしてみるのも楽しいでしょうね。