学童保育所の支援員のICTリテラシーを向上させるには

GIGAスクール構想が進み、子どもたちがChromebookなどの端末を持ち歩いている姿を見るのも珍しくなくなりました。
授業や宿題に端末が用いられる今、学童保育所もICTシステムが導入されている状態です。
しかし、導入するだけでは危険性もはらんでいます。
学童保育所の支援員に求められるICTリテラシーに関してご紹介しましょう。
目次
ICTシステム導入時の危険性とは
ICTシステムを導入する場合は、プライバシーや情報セキュリティに配慮する必要があります。
子どもたちの個人情報を適切に管理し、情報漏えいなどが起こらないよう対策を講じることが求められるのです。
ICTシステムの導入だけでなく、学童保育支援員のICTリテラシー向上や、ICTを活用したプログラムや活動の開発も進められています。
ICTリテラシーとは
情報通信技術を利用することに必要な、基本的な知識、技能、態度、価値観を含めた能力のことを指します。
具体的には、パソコンやスマートフォンをはじめとする情報通信機器の基本的な操作や、インターネットやSNSなどを利用するための知識、情報の収集や管理、セキュリティ対策など、情報通信技術を安全に利用するために必要なスキルや態度などです。
昨今ICTリテラシーはますます重要な能力となっており、学校教育や社会教育においても取り組まれています。
学童保育支援員のICTリテラシーが低い場合の危険性
ICTリテラシーが低いスタッフばかりだと、ICTシステム導入時に以下のようなトラブルや問題を起こす危険性があります。
子どもたちに適切な指導ができない
ICTリテラシーが低い支援員は、子どもたちに必要な情報や知識を適切に提供できない場合があります。また、適切なICTツールやソフトウェアを使いこなせないため、子どもたちに最新の情報や技術を伝えることができない場合もあるでしょう。
適切な情報を収集する能力が低いため、大切、必要な情報を見分ける力が弱く、間違った情報に惑わされることや、適切な情報を見逃す傾向にあります。
セキュリティリスクの増加
ICTリテラシーが低い支援員が個人情報や機密情報を扱う場合、情報漏えいやハッキングのリスクが高まる可能性があります。
支援員本人がそのリスクに気づかずにICTシステムを扱うため、ICTリテラシーの向上が必要なのです。
コミュニケーション能力の低下
ICTリテラシーが低い支援員は、ICTを活用した新しいコミュニケーションのとり方についてミスマッチが起こる可能性があります。
SNSやメッセージアプリなどで適切な言葉遣いや表現方法がわからず、保護者や同僚などに誤解を与えたり、うまくコミュニケーションがとれないというケースがあるのです。
職場でのストレスや不安の増加
ICTリテラシーが低い支援員は、職場でのストレスや不安を感じる可能性が高くなります。
ICTに関する知識やスキルを持たないため、職場での業務に不安を感じ、周りの同僚や上司からも信頼されなくなる場合があります。
業務負担を軽減させ、離職率を下げるためにICTシステムを導入する学童保育施設運営者も少なくないため、本末転倒になってしまうでしょう。
支援員のICTリテラシー向上のために
ICTシステムを導入する上で上記のようなリスクがあるため、支援員のICTリテラシー向上は必須と言えるでしょう。支援員がICTリテラシーを向上させるためには、以下のような方法が考えられます。
研修や講習会の参加
ICTに関する研修や講習会に参加し、知識を深めることができます。
また、他の支援員と情報交換することで、新しいアイデアやノウハウを得ることもできます。
ICTシステムを提供する企業から研修という形でサポートを受けるのも良いでしょう。
自身の学童保育に合った必要な情報や知識を得ることができます。
実践を通した学び
実際にICTシステムなどを活用した学童保育での業務や子どもたちとの関わりを実践していきます。その中で支援員自身が学び、技術を磨くことができるでしょう。
例えば、ICTを活用した遊びやプログラミング体験などを子どもたちと一緒に行うことで、支援員自身がICTの使い方を身につけることができます。子どもたちから新たな知識を得ることもできるのではないでしょうか。
マニュアルやテキストの作成
ICTを活用する上で必要な手順や方法をまとめたマニュアルやテキストを作成し、共有することで、支援員の知識を共有することができます。
また、マニュアルやテキストを作成することで、その支援員自身がICTの知識を整理し、より深く理解することができるようになるでしょう。
マニュアルの説明をしたり、質疑応答をしたりすることで支援員同士のコミュニケーションを深めることもできます。
ICT機器の活用
ICT機器を活用して、子どもたちと一緒に遊びや学びを行うことで、支援員自身がICTの使い方を身につけることができます。また、ICT機器を使った保育のアイデアや工夫を共有することで、支援員同士の知識交換も促進されます。
より実践的な方法で繰り返すことができるため、記憶にも定着されやすいでしょう。
いかがでしょうか。
支援員の業務負担を軽減し、離職率を下げ保育の質をあげるためにもICTシステムの導入は不可欠です。
そのために必要なICTリテラシーを運営側、支援員のためだけでなく、保護者や子どもたちのために向上させていきましょう。